デザインというと、とかく見た目の美しさだけに囚われてしまうことが多いのですが、美しさが逆に邪魔になるケースもありますし、なによりもビジュアル優先で、ユーザーの使い勝手を無視した方向に傾倒してしまうのは決していい結果を産みません。
例えば基本中の基本として、ホームページのテキストリンクの色は青と相場が決まっています。
絶対的に青であるべき根拠はあまりないのですが、そもそもHTMLを書くときはデフォルトで青であるということと、それにユーザーが慣れてしまっているので、いきなり「うちのホームページのテキストリンクは赤なんです!」というようにしても、それは直感的に理解できないという意味で、少々不親切なものになってしまいます。
それでもアンダーラインが入っていればなんとなくわかるのですが、アンダーラインもない状態だと、これはもう絶望に近いです。
同じように、多くのユーザーが使い慣れているであろうインターフェースに学ぶことは重要です。
例えば多くのポータルサイトはヤフーと同じような体裁でレイアウトされていますし、検索エンジンといえばグーグルのように至極シンプルな見せ方をするのが慣例化しています。
誤解されがちな部分として、デザインとしての美しさが優れていれば優れているほど素晴らしいサイト(=ユーザーが定着するサイト)とは言えないところです。
ビジュアルの美しさで印象に残るような見せ方、というのも方向性としてはもちろんあるのですが、例えばヤフーとか楽天とかを見てお分かりの通り、決して美しさを主張するようなデザインではありません。
ああしたサイトの目的は、ビジュアルの美しさを印象づけることではなく、情報をいかに整理して構成するか、とうことを目的としているので、過剰な演出はかえって邪魔になります。
たまにデザイナーさんで、「楽天ショップのテンプレートデザインはひどい。自分がデザインしたら、もっとよくなる!」と言う人がいます。
たしかに楽天での商品の見せ方はあまりにも素っ気なく、そう思う気持ちもよくわかるのですが、「デザインを美しくしたらよくなる」という考えはちょっと筋違いというものです。
楽天にとっては、「最も売れる」デザインが最も素晴らしいデザインであって、誰がみても「美しい」という評判がたつようなデザインであることは、そもそも目標としていないのです。
例えばデザインを華美なものにして、例えば売上が10%伸びるのであれば、球団を買うよりも先に、多くの予算を費やして対策を取っていることでしょう。
おそらくは逆に、そうすることで売上は下がる可能性が高いと思われます。
端的な例を挙げると、例えば新聞のスーパーの折り込みチラシ。あれは、目玉商品をどの位置に掲載するか、によってその日の売上がまるで違ってくるそうで、デザインも雑然として決して美しいものではありませんが、最も効果の高い見せ方を突き詰めた結果、ああした体裁に落ち着いているのです。
同様に、折り込みチラシでも、地域ごとにデザインの違う複数のパターンを出して、どの地域からの反響が一番大きかったかを計測する、というようなやり方をするところもあります。
イラストコンクールであれば、もっとも印象深い美しさをもった作品が優勝するのでしょうが、商業デザインの世界では、最も優れた結果を生み出したものがいいデザインなのです。
前の記事はありません
サイトロジックでは、コンテンツ制作に関わるさまざまなノウハウを、惜しみなく公開しています。
コンテンツ制作のご参考に、ぜひお役立てください。
全21件の記事中最新の10件を表示 >> 続きを見る