マーケティングの基本中の基本として、ニーズ(needs)があるかどうか、を調査することはとても重要です。
これは有名メーカーが商品を開発する上でも同様ですが、需要がなければ売れるはずがない、という至極当然の話です。
例えばカップラーメンといえば、3分待つのが常識ですが、その昔、なんと1分で食べられる画期的なカップラーメンが登場しました。
その後しばらくして、その商品は市場から姿を消したわけですが、ほかのメーカーが追従することもなく、「3分も待てない人のため」のカップラーメンは今では(おそらく)存在しません。
「3分すら待てない、極めて短気な人」というマーケットも本当に小さな範囲では存在するのかもしれませんが、それが商売として成立するほどの規模ではなかったということでしょう。
時代が変われば、そうした需要が高まる可能性はもちろんありますが、これがもし圧倒的な需要を持つようになれば、「うちのは1分もまたせないよ!30秒だよ!」といった競争も始まることでしょう。
このようなニーズのマーケット規模を調査し、時代に合わせた嗜好を探るのがマーケティングという概念です。
マーケット調査をする上で、インターネットは非常に優れたツールと言えます。
検索エンジンで、どのようなキーワードがどのくらい検索されているのか?がわかれば、その市場規模を推察できますし、実際にサイトに訪れた人の中で、コンバージョン(=成果)に結びつく人は、どういった経路でコンバージョンに至ったのかを、解析することも可能です(事前の段取りは必要ですが)。
優れたツールであるがゆえ、非常に残酷な事実も知らされるわけですが、よほど認知度の高い有名企業のものでない限り、固有の商品名や会社名を指名で検索される件数は、非常に微々たるもの(例えば社員や取引先程度)です。リピーターですら、ご指名というパターンはほとんど見られません。
「うちは今までにない、新しい画期的なものを提供する!だからそこに市場があるわけがない!」という場合があります。
もちろん、概念として存在しないものが、検索されることもありえないのですが、ではこうしたケースでは検索エンジンによる集客を諦めなければならないのでしょうか?
そんなことはありません。その画期的なものが、人に受け入れられる魅力を備えているのであれば、必ずユーザーの中に潜在的な欲望(WANTS)が存在します。
例えば脱毛症に悩む人がいたとします。
この人は、脱毛の悩みを解消するために、「プロペシア」を試してみたいと考え、「プロペシア 処方」というキーワードで検索します。
この場合、「プロペシア」という具体的な名称がニーズです。プロペシアは実際にどんなものなのか?どうすればそれを使うことができるのか?を調べようとしています。
その一方で、「脱毛に悩んでいるけど、どう解決するべきなのかわからない」という人もいます。
この人は、「脱毛 悩み」とか、「薄毛 解消」というようなキーワードで検索されると思われますが、このように漠然とした曖昧な欲求のことをウォンツ(WANTS)と言います。
例に挙げた脱毛の解消法では、カツラから植毛、育毛剤など、既に多くの手段と商品が存在しますが、絶対無二な解消法が存在しないからこそ、こうしたウォンツへの対策が生きてくる例です。
もっと大胆な仮説を立てれば、自分の容姿にコンプレックスを持っているけれど、具体的になにがどう悪いのかよくわからない、という場合も考えられます。
こうした、ニーズが具体化していない段階の欲求(=WANTS)から集客し、それを満たすための提案に繋げていく。
例えばレストランと言えばイタリアンやフレンチが人気ですが、もしあなたが、「スロベニア共和国の料理を出すレストラン」をホームページで紹介したいとします。
しかしスロベニアには、どんなおいしいものがあるのかもほとんどの人は知りません。「スロベニア レストラン」で検索される機会は・・・今ちょっと調べてみましたが、少なくとも2009年12月に検索された痕跡は認められませんでした。また、このキーワードでの検索は「スロベニアに旅行に行くので、現地のレストランを・・・」という場合を含むため、紛れがあることも理解しなければなりません。
それであれば、「珍しい国 レストラン」「珍しい食べ物」といったキーワードで集客し、そこからスロベニア料理の独自性、おいしさを紹介し、レストランへの集客に繋げていくという導線を作るわけです。
これこそが、インターネットならではのクレバーな戦略だと言えるでしょう。
・・・ちなみに僕はスロベニア料理のことはぜんぜん知りません。適当に言ってみただけです。
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